永遠について 2022.03.19 雨の日は、街を歩いていてもどことなく切ない気分になります。 そんな時はマット・モンローの歌声を移動中に聞くことにしています。私が最も好きな男性ヴォーカリストのひとりであり、「黄金の歌声」は男性的な色気と英国人特有の洒落たセンスに満ち溢れています。中でも私のお気に入りは「La
求めない、受いれる 2022.03.17 詩人、アメリカ文学研究者、翻訳家など、生涯多彩な才能を発揮されて92歳でこの世を去られた加島祥造(かじま・しょうぞう)氏。私はついにお目にかかる機会を得られませんでしたが、45万部のベストセラー著書「求めない」を拝読させていただいて以来、そのお人柄に一度でも触れさせていただきたいと思っておりました
夜明けの明星 2022.02.17 「日は昇り日は沈む」 これは旧約聖書第1章1~8節のコヘルトの言葉にある一文です。 アーネスト・ネミングウエイの「日はまた昇る」やミュージカル屋根の上のバイオリン弾きの「サンライズサンセット」の由来はここにあると言われています。 同じく伝道者3章にはこんな名文があります。
眠られぬ夜のために 2022.02.16 名著「眠られぬ夜のために」の中でスイスの哲学者のカール・ヒルティは、眠れぬ夜を自己反省の時間として生かし、人生を深めることの大切さを説きました。 しかし、不眠が長く続くと辛い上、心身にとって必ずしも良い影響を与えるとは言えません。朝決まった時間に起きて、朝陽を浴びることで夜間にメラトニン
安斎勝洋先生を偲んで 2022.02.10 日本における姓名判断と風水の大家でいらっしゃった、故安斎勝洋先生のお仕事場に最後にお伺いしたのは2018年3月のことでした。お亡くなりになられる約半年前のことでした。 すでにご病気がかなり進行されていたことを後から知らされたのですが、私たちには一切気を遣わせないご配慮で長時間接してくだ
変身(メタモルフォーゼ) 2022.02.08 植物は種から芽を出し、枝と葉をつけ花を咲かせませす。昆虫も、例えば芋虫から蛹へ、そして蝶へと実に見事な変身を遂げます。 人間はどうでしょうか。実は生命体というのは元々ドラスティックな変身を遂げうるものなのです。ダーウインの進化論(実際は進化説)における自然淘汰説が覆され、
「赦し(ゆるし)」について 2022.01.31 国連難民高等弁務官そしてアフガニスタン支援政府特別代表を歴任された故緒方貞子氏の「テロの原因は憎しみの連鎖」」という言葉は私にとって衝撃的でした。それはテロの本質を語っているだけでなく、戦争をはじめとする争いごとの本質を物語っていると気づいたからです。争いの始まりは必ずしも憎しみだけではあ
ユーモアとリーダーシップ 2022.01.29 家内とリスボン市内のイタリアンレストランで昼食をしたときのことです。 食通とはほど遠い私が、毎度のことながら何を注文してよいか迷った末、初老のウエイターに少し待って欲しいと頼みました。時計を見ると午後2時でした。彼は一呼吸置いてから「お店は午後11時までですから、
親日の国ポルトガル 2022.01.27 ポルトガル人は多くの日本人の方が想像する以上に、日本への関心を持っています。親日的な上にこの国で人種差別がほぼ皆無なのは、国をあげての植民地時代と植民地戦争への反省が大きな理由のようです。異文化や他の宗教にも寛容で、田舎に行くと同じ建物をキリスト教とイスラム教が、それぞれ教会と寺院として共同
モンロビア行きの列車 2022.01.26 私がかつて勤務した会社の元社長犬養康彦氏の実姉犬養智子氏(評論家、犬養毅(いぬかいつよし)元首相の孫)の若い頃の実話です。南蔵院の林覚乗住職の心に響く言葉より引用させていただきます。 戦後間もない頃、日本人の女子留学生が一人、アメリカのニューヨークに留学した。戦争直後の、日本が負けたば