共産主義による不平等と自由の剥奪について

産業革命の後、資本主義経済が台頭することにより国家の経済力が増すとともに、貧富の差が生まれました。そこで貧富の差を解消して理想社会を実現しようとしたのが、マルクス主義を基盤にした共産主義です。すなわち私有財産を禁じ、国家が統制経済を行うことにより富の分配を平等に行い、貧富の格差と貧困が解消させるという理念に基づいた政策です。

共産主義を実現するには国家が中央集権化と国民に対しての強い統制力を実現しなくてはなりません。国民は言論思想の自由、信教の自由、私有財産を奪われました。その結果、国家の中枢にいる者たちは極端に豊かな生活と権力を手にし、一般の国民は自由を剥奪され貧困を強いられるようになりました。すなわち理想を掲げた机上の理論と、現実との間にはあまりに大きな隔たりが生まれました。
現実の世界を見渡しても、共産主義は旧ソビエト連邦、北朝鮮、そして中国における多くの民衆の貧困と貧富の差を生み出しました。

今や共産主義は、貧富の格差解消どころか一握りの為政者による富と権力の支配のためにあると言って過言ではありません。ペレストロイカを経て共産主義を脱したはずのロシアは再び独裁時代に戻りつつあり、中国と北朝鮮は言うに及ばずです。彼らは内政のみならず、軍事力により国際社会に脅威を与え続けています。

ところで2022年9月に、共同通信が興味深い記事を出稿しています。バチカンが中国共産党ができた直後にすでに中国の早期崩壊を予測していたというものです。

資本主義経済の問題点は多々あります。しかしそれ以上に、共産主義は人の自由を奪い去り、一部特権階級のみが栄える思想であるが故に、早期に世界から駆逐されなくてはならない大変危険な政治体制と言えます。

中国の早期崩壊を予測、バチカンの機密文書で判明

写真はNEWS WEEK日本版2016年12月20日号の表紙です。

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