私にとってのリスボンとポルトガルの魅力(1)

国や都市の魅力については、人と同じく相性というものがあるので一般論で語るに余りあるものがあります。
しかし言葉を使わない限りお伝できないので、あえて思いつくままに書かせていただきます。
まず生活する上で最重要の安全が確保されていることが1番の理由です。

世界平和度数で上位を獲得するだけあって、治安は非常によろしいです。その上人種差別は皆無と言っていいです。特に日本贔屓の人が多く、さらに他のアジア人に聞いても人種差別はないと言います。地元に長く住む日本人の方によると、人種差別が良くないことを学校で教えているのではなく、人種差別という概念そのものがこの国ではタブーとのことです。

次に地中海性気候のため、年間を通じて気候が温暖で、特に夏場が乾燥していて過ごし易いです。直射日光は強いですが、日陰に入れば涼しいので東京の真夏のような蒸し暑さはありません。ただし2022年の夏はヨーロッパを襲った熱波のせいで、例年になく気温と湿度が高かったです。

そして食事が美味しいです。特に日本人の味覚には違和感がなく、またお寿司が盛んなのが嬉しいです。アイルランド沖で獲れるマグロは日本の高級料亭や高級レストラン用にも輸出され、ファストフードから高級寿司店まで、私の近所だけでも4、5軒の寿司店があります。

さらに全般的に物価が高いヨーロッパの中では、物価はかなり安い方です。外食をすると日本とあまり変わりありませんが、スーパーで買い物をすると食材の安さに驚きます。

ヨーロッパ人の移住先人気ナンバーワンという言葉を耳にしたことを改めて思い出します。

 ご存知の通り、ポルトガルは経済大国ではありませんが、先進国であることはこちらに住んで確信しました。

ご批判を恐れず申し上げるならば、日本は経済大国になったものの、お金の使い方についてはまだまだ発展途上国であると感じています。

 ポルトガルの住民であれば、公立病院や公立学校は無償、ネットで医師名を指定して予約してスマホでチェックインできる私立病院など、生活する上での基本が確立されているなど、17、8世紀の建物が立ち並ぶ古い街並みから想像していたリスボンでの生活とは随分と異なる点が多々ありました。

 私どもも移住してきた当初は色々なものが見えてこないので、コンビニがないこと、時間がルーズなことなどマイナス面と受け止めてしまった事柄が、今ではないことの豊かさ、成り行きに任せるゆとりに転換し、毎日を楽しんでおります。そして時間と共にだんだんと街が見えてくると、むしろ日本にはないものがたくさんあることに気づき、当初の印象とは随分と変わりました。

ポルトガルはいい意味で不思議な国です。少々大袈裟な言い方をるならば、地上の楽園と呼びたい国です。

 

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