親日の国ポルトガル

ポルトガル人は多くの日本人の方が想像する以上に、日本への関心を持っています。親日的な上にこの国で人種差別がほぼ皆無なのは、国をあげての植民地時代と植民地戦争への反省が大きな理由のようです。異文化や他の宗教にも寛容で、田舎に行くと同じ建物をキリスト教とイスラム教が、それぞれ教会と寺院として共同で使っていることもあり驚きます。

 先日乗ったUBERのドライバーに日本から来たことを告げると、「そんなことは最初からわかっていたよ。日本人とは500年以上も友人だったからね。」と言われてびっくりしました。
 1549年にイエズス会で来日したフランシスコ・ザビエルは次のような言葉を残しています。

 「ここから日本に関する経験を述べる。まず、今まであらゆる民族の人々と話してきたが、日本人こそ一番良い発見であった。キリスト教以外の宗教を信仰する民族の中で日本人に勝てる他の民族はいない。なぜなら、彼らの話し方はとても丁寧だし、そのほとんどが悪気のない優しい人々であり、名誉を重んじた素晴らしい人々である。何よりも名誉を大事にする。彼らのほとんどが貧しい人々である。たとえ身分の高い人が貧しくても、身分の低い人に軽蔑はされないのである。」

 近年においても、大勢のポーランド人孤児を日本に引き取って欧米諸国を仰天させた総理大臣の原敬、自らの命と引き換えに孤児の命を救った松沢フミ看護師、ユダヤ人に外交官生命をかけてビザを発給した杉原千畝在カナウス領事代理、アフガニスタンの復興に尽力した中村哲医師など、こうした偉人たちの偉業、同じく現在も国の内外で活躍する大勢の方々の努力により海外で日本人が大きな信用を築いてきたことをつくづく実感しています。

日系人の多いブラジルをはじめ、他の国々に住む知り合いの日本人からも同様の話を聞きます。特にブラジルでは日系移民の方々の大きな功績により、日本人が田舎に行くと一緒に写真を撮らせてほしいと言われることがあると聞きました。本当かなと思っていたところ、私が家内と一緒に訪れたリスボンのブラジルからの移民が経営するお店では、日本人とわかると店員さんに一緒に写真に入って欲しいと言われてびっくりしました。
 
 最初に出会った外国人が、その人の国の印象を決めるとよく言われます。私も家内も先人への感謝と自分たちへの戒めとして、ポルトガルでは日本人として恥ずかしくない立ち振る舞いをしようと常々思っています。 

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