リスボンの路面ケーブルカー

  リスボンは坂の街なので、急坂を登る路面ケーブルカーが街の3ヶ所にあります。
Lavra線(1884年開業)、Gloria線(1885年開業)、Bica線(1892年開業)の3つの路線です。

 それぞれ地域差があり、Lavra線の下の乗り場はリベルダーデ通りに近く便利な場所にありますが、登った先がとりたてて名所がないのであまり人気がありません。


 一方Gloria線は登った先が展望台、Bica線は下の乗り場がターミナル駅カイス・ド・ソドレ(Cais do Sodre)に近く、リスボンの下町情緒あふれる地域が沿線にあるので、それぞれ人気があります。

 日本のケーブルカーは一般的に動力を持たずにワイヤーで牽引するタイプですが、リスボンは通常の路面電車のように動力を内蔵して軌道上を走ります。

日本の場合は傾斜している車体に対して、車内が階段状の通路になっていますが、Gloria線とLavra線の車両の場合は、傾斜に対して車体が水平になるような台車が装備されています。従って客室内は平らです。

 
 脇の歩道を歩くこともできますが、体力に自信がないと上りはかなりの傾斜です。
 このような路線を維持していることに人と社会の営みの深さを感じ、効率や生産性を越えた大切さを教えられます。

坂の街リスボン


Gloria線

最も急勾配を登るGloria線の高台の終点駅。降りてすぐ右が展望台Miradouro de São Pedro de Alcântaraです。

3つの路線ともに高台の駅と下の駅をほぼ同時に出発し、途中ですれ違います。

Gloria線の下の終点駅Restauradores。向かいに見えるビルはハードロックカフェ(Hard Rock Cafe Lisboa)が入居しています。

次のBica線と並んで、観光客に人気のある路線です。下の終点駅Restauradores

上の地図の赤矢印は、Gloria線の下の終点駅Restauradores。
付近にはメトロ青色線のRestaurandores駅(地図の左上)、緑色線のRossio駅(地図の中央付近)と青色線と緑色線が交わるBaixa-Chiado駅(地図の左下)があり、観光客が多い地域です。

Bica線

Bica線の下の乗り場。このように行列ができていることが多いです。

Bica線の下の駅。車両の奥に乗客の行列が見えます。

Bica線はリスボンの下町情緒あふれる地域を行き来します。

通常の単線ではなく、下の写真のように重なって敷かれた軌道が途中で分岐することですれ違いを行います。

Bica線の高台の駅付近

Lavra線

 この路線は登った先に観光名所がないせいか、比較的空いています。


ご覧の通り、歩道は軌道すれすれで余裕がないため注意が必要です。

Lavra線の高台の駅
 

 坂の多いリスボンならではの路面ケーブルカーと並んで人気のある観光スポットがサンタジュスタのエレベーターです。

サンタジュスタのエレベーター

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