私が物心ついた昭和30年代の日本には、コンビニはおろかスーパーもほとんど見かけませんでした。
その頃の商店や市場はスーパーに比べて、お店の人との対話が親密で楽しい場所です。
リスボンの市場は、私が物心ついた頃の、高度成長期の東京を思い出します。
私は当時同居していた曽祖母、祖父母、父母の誰からも勉強しろと言われたことはただの1度もありませんでした。
その代わり、お使いや家の手伝いは毎日させられました。
お使いは自転車で行くことが多かったですが、お店の人との会話が楽しかったです。
祖父が親しくていた書店のご主人は、子供には高くて買えない本を貸してくれることもありました。
私が住むリスボンも、市場以外でも地域社会が親密で、知らない人とでもすれ違う際に挨拶をすることが少なくありません。
買い物に出たついでに、近所の人に電話してカフェでお茶を飲むこともあります。
今さらながら、経済的合理性の追求で得たものと同時に、失ったものも多いことを感じています。
リスボンの生活に慣れるに従って、スーパーよりも昔ながらの市場に関心が移りました。スーパーでも魚や肉の売り場での会話はありますが、レジでは長話ができるわけでもなく、少々物足りなさを感じていました。
その点、市場では商品選びだけでなく、お店の人との世間話も楽しめます。
この間は隣町の魚市場で、サーモンを買ったら、海老をおまけにつけてくれました。
昔の東京でもこんなことがよくありました。
市場の中のお店によってはカードが使えない場所もありますが、私どもがよく足を運ぶ Mercado de Campo de Ouriqueは一部を除いてはカードが使えます。
こちらは昔は市場だけでしたが、今はフードコートが併設され、日によっては夜になると音楽のライブがあります。
市場は楽しい! Mercado do Campo de OuriqueとMercado de Algés
Mercado de Campo de Ourique内のフードコート
Igreja do Santo Condestável
(Mercado de Campo de Ourique近くの教会)
市場の近くを路面電車が走ります。
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