食の安全、日本とヨーロッパ

ヨーロッパに住むようになって良かったことのひとつに、食品の安全が日本より確保されていることが挙げられます。人の身体を物理的に構成する要素が水と食品です。水と食品の安全がいかに人の健康にとって大切かを、我々は消費者の立場から忘れてはならないと思います。

東日本大震災の際の福島原発による海洋汚染はアメリカのカルフォルニア沖にまで広がっています。そこで私たちは日本にいるときは、太平洋で獲れたお魚をほとんど口にしませんでした。
ポルトガルに来て、やっと安心してお魚をいただくことができるようになりました。ちなみにポルトガルはヨーロッパで魚の消費量が1番多い国です。

ところで日本は食料を海外に依存しているため、アメリカからの遺伝子組み換えの加工食品を知らずに口にする機会が少なくありません。加工食品の場合は、含まれている原材料のうち上位のものでなければ遺伝子組み換えの表示をする義務がないからです。

遺伝子組み換えでないと書かれたアメリカ産の大豆加工食品についても、5%程度の遺伝子組み換え大豆が意図せずに混じることがあるらしく、さらに今後はその場合に遺伝子組み替えでないという表示ができなくなるそうです。遺伝子組み換え食品を避けるには、国産の原材料であることを確かめないことには確実ではありません。

農薬についても同様です。日本ではヨーロッパの3倍から30倍の農薬が使用されているとのことです。

日本の食品の安全基準がアメリカより低いのは、輸出国アメリカの基準に輸入国の日本が合わせているからです。

今はバイエルに買収・吸収されたアメリカの多国籍バイオメーカー科学メーカーであるモンサントは、人体に有害な除草剤ラウンドアップを開発しました。ラウンドアップの主成分であるグリホサートは、農作物や雑草を無差別に枯らす性質を持っています。その後ラウンドアップに対する耐性を持つ様々な遺伝子組み換え作物(ラウンドアップ・レディー)を育種して、ラウンドアップとセットで販売しました。

種子に特許を紐付けし、農家が種子を再利用しないで、毎年買い換えなくてはならないようにしたのもモンサントです。

こうした経緯からモンサントは「悪魔の種子」などと呼ばれ、その悪質なビジネスに反対運動が起こりましたが、近年ではブラジルやアフリカなどでのビジネス展開を図ろうとしています。

欧州委は2030年までにEU域内での化学農薬の使用量を50%削減する方針を打ち出しましたが、そんな中でEUで禁止された農薬を、日本に販売攻勢をかけるといったことも起きています。今や日本の食料輸入は安全面で非常に杜撰と言えます。

我々消費者は、日頃口にする食品の安全性について、より深い関心を寄せるべきだと思います。

写真はバルセロナ市内の食品市場です。





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