リスボンで起きた価値観の変容

 

 時間指定の宅配が2時間遅れ、特急列車が10分遅れて発車することが当たり前のポルトガル。
 最初はいらいらしたものの、今は当たり前になりました。
 慣れたというよりも、価値観が変容したのです。
 
 宅配が2時間遅れてもさほど生活に影響がなく、特急が遅れることを前提にスケジュールを立てれば、時間通りに発車すればしめたものです。
 
 もちろん、時間が正確なのことは社会において大切ですが、人生にはもっと大切なことがたくさんあることに気づいたのです。
  
 驚くほど親切で優しい、どんな場面でも挨拶を欠かさない、リスボンの人たちの心の暖かさの前には、宅配が遅れて怒る自分ではいられなくなりました。

 なお、誤解のないように申し上げますと、ポルトガルの人たちが怠け者というわけでは決してありません。一生懸命働く姿は、日本人と同じです。ただ、社会習慣が日本と異なるため、時としてルーズに見えたりするのです。
 
 写真はお寿司が盛んなリスボンの寿司店「五十(Go Juu)」です。
 板前さんはポルトガル人です。
リスボンには古き良き時代の日本を彷彿とさせる人の心が息づいています。

こちらのお店は、人望厚き日本人のオーナーシェフの方がお亡くなりになり、その方にお世話になったポルトガル人がその遺志を継がれ、同様のメニューをお客様にご提供されています。

リスボンの寿司店

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