国と厚労省は新型コロナワクチン被害者の一刻も早い救済を サリドマイド薬害事件、薬害エイズ事件を振り返って

 厚生労働省は、「薬害エイズ事件」を反省し、悲劇を再び繰り返すことのないようその決意を銘記した「誓いの碑」を、1999年8月に同省の正面玄関前に設置しました。

 その誓いも虚しく、新型コロナワクチンによる悲劇が再び日本を襲っているように思えます。新型コロナワクチンが原因と考えられる被害者数は、かつてのサリドマイド薬害事件、薬害エイズ事件をはるかに上回り、このままだと今後も増え続けると予想されます。

 その一方で、2022年12月12日の時点で、国が予防接種健康被害救済制度により救済認定したのは、わずかに15名です。

 同年12月22日の時点で、進達受理件数 5601件 (同日の審議結果を含む)、認定件数 1313件、否認件数 146件、保留件数 24件です。新型コロナワクチンによる被害者はお亡くなりになった方々のみならず、後遺症に苦しむ方々も多数いらっしゃいます。1977年の予防接種健康被害救済制度開始からの累計被害認定者数で、新型コロナワクチン接種が過去最多になりました。

 そもそも2021年と2022年の超過死亡数から推定される新型コロナワクチンが原因と考えられる死者数は、現時点で太平洋戦争における原爆による死者数と同規模と推定されます。これは新型コロナ感染、高齢化などによる他の超過死亡の要因を除外しての推定です。それ以外に、後遺症に苦しむ方々も多数いらっしゃることが、医療現場からの報告で想像できます。

 新型コロナワクチンでお亡くなりになった方々や後遺症被害にあわれた方々への経済面での補償以外にも、後遺症で苦しむ方々のための診断ならびに治療法の一刻も早い確立が急務と言えます。

 国、地方自治体、厚労省が発表したデータや医療現場からの報告、そして医学論文から新型コロナワクチンの危険性は今や明らかです。そうした中で、新型コロナワクチンによる多数の被害が出ているにも関わらず、政府も厚労省もいまだ新型コロナワクチン被害に真正面から取り組んでいるとは言えません。それどころか、病理解剖でワクチンとの因果関係が認定されたにも関わらず、それを覆すというとんでもないことが起きているのです。 今回の薬害事件は、政府の対応と厚労省の対応においてサリドマイド薬害事件や薬害エイズ事件に類似した点が見られます。

 サリドマイドは鎮静・睡眠剤として当時の西ドイツで1957年(昭和32年)に開発され、世界40カ国以上で販売されました。発売元は西ドイツのグリュネンタール社で、商品名はコンテルガンで、妊婦のつわり止めにも使用されました。

  そしてこの薬の副作用で世界で約1万人の胎児が被害を受けました。日本の認定被害者(生存者)は309人(1981年5月最終確定)で、それ以外にも生存被害者のいる可能性がある他、死産を含む約1000人が被害を受けた可能性があると言われています。。アメリカでは、胎児への影響に関するデータがないという理由で承認されませんでした。その時の担当官フレンシス・キャスリーン・オルダム・ケルシーは、後に国民を薬害から守ったという理由で、J・F・ケネディ大統領より表彰されました。

 日本では1957年に大日本製薬(現在:第日本住友製薬)が製造し、厚生省に認可申請しています。そして翌年の1958年に何と1時間半の審査で承認されました。

 1958年以降、サリドマイドを服用した母親から奇形の子供が生まれたことで、1961年11月18日、西ドイツのウィドキント・レンツ博士が調査結果を発表しました。

 西ドイツは同年11月25日にサリドマイドを市場から回収することを決定し、欧州諸国は西ドイツと同時期に販売停止と回収を行いました。

 ところが、当時の日本の厚生省はレンツ博士の警告には科学的根拠がないとして、新たに別の1社に製造を承認しました。そして先発の大日本製薬は販売の主力を睡眠薬から胃腸薬に切り替えて宣伝をしたのです。

 1971年11月5日付の毎日新聞の見出しによると、レンツ博士はその10年前、すなわち1961年10月に最初の警告をしてから10日で回収を決定、その際に日本から問い合わせがなかったことを証言しています。日本が販売停止を決めたのは、欧州に遅れること約10ヶ月、レンツ博士の発表があった翌年の1962年9月13日です。さらに販売停止と回収の遅れにより被害が拡大しました。

 サリドマイド訴訟は11年に渡り、1974年10月14日に終結しました。

 その後1980年代に入り、今度は新たに薬害エイズ事件が発生しました。日本国内の血友病患者約5000名のうち約2000名が、1982年から1986年までに米国から輸入されていたHIVに感染した非加熱製剤によりHIVに感染、その多くがエイズを発症してお亡くなりになりまいた。1985年に安全な加熱製剤が承認されたものの、非加熱製剤を製造していたミドリ十字が回収を直ちに行わなかったため、HIV感染が拡大しました。さらに非加熱製剤の回収を命じなかった当時の厚生省もその後裁判で罪に問われました。

  なお被害拡大の主因として、日本政府による未使用非加熱製剤の回収措置が即座に講じられなかったこととされています。

  サリドマイド薬害事件も、薬害エイズ事件も、日本政府が率先して危険な薬品を回収しなかったことが犠牲者を増やしたと言えます。

 新型コロナワクチンは治験を経ることなく、日本においては特例承認、アメリカにおいては緊急承認されました。

 日本でサリドマイドが1時間半の審査で承認された経緯と酷似しています。

 数多くの感染症やワクチンの専門家が指摘する新型コロナワクチンの危険性を、デマと断じる日本政府と厚労省は、サリドマイド事件や薬害エイズ事件の時の対応と同じく、今後被害者がさらに拡大する可能性をどう考えているのでしょうか。
 デマと言うのであれば、新型コロナワクチンが「安全、安心」である証拠を提示すべきです。

 2022年の大晦日、元ワクチン接種推進担当大臣の河野太郎氏は自身のSNSで、自分はワクチンの「運び屋」であり、ワクチン後遺症に責任を持つと言った覚えはないと言う趣旨の投稿をしました。「運び屋」とは通常、麻薬や密輸品などを密かに運搬する役目の者を指します。そうなると、新型コロナワクチンはやはり危ないものだったと言うことでしょうか。そして「運び屋」にも責任が生じることは、社会通念上明らかなことです。

 すでに欧米では積極的なワクチン接種を中止したにも関わらず、日本ではまだ打て打ての号令がかかっています。その中にあって、2021年からの超過死亡数の増加と、昨年末からの死者の急増は、極めて異常な事態と考えています。

 サリドマイドも製薬会社が「完全無毒」、「妊婦にも安心」という謳い文句で宣伝されていたそうです。

 新型コロナワクチンの構造と現在の状況から判断して、私には新型コロナワクチンが「安全、安心」とはとても思えないのです。

 

 安全、安心を唱える医師や厚労省の説明を読んでも、明らかな勉強不足、もしくは危険性を知りながら認めないとしか思えません。免疫学の専門家によると、現在の医学部教育の中において免疫学についての講義は極めて少ないとのことです。その結果が私のような専門外でも見抜けるような嘘がまかり通る結果を生んでいるとしか思いません。同時に、製薬会社により支えられている現在の医療体制の中において、本当のことが言えないのでしょう。
 
 本来ならば、新型コロナワクチンの是非について、公開討論の場などで議論すべきだと思います。ところがテレビに出演する先生方のほとんどがワクチン推進派のため、多くの国民がそれを信じてしまう現状を憂うばかりです。
 
 現在報告されている新型コロナワクチンとの関連が疑われる死者数はサリドマイド薬害事件の被害者数を大きく上回り、薬害エイズ事件の被害者数と同規模になりました。あくまで報告されている件数ですから、後遺症被害者を含めれば実際にはこの数倍の被害者が存在すると推定されます。

 (サリドマイド事件の経緯に関しては、「サリドマイド事件の概要と被害者の今」 2015年8月24日 公益財団法人いしずえ(サリドマイド福祉センター)佐藤嗣道の本文を参照し、写真を引用させていただきました。)

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