台湾有事は日本有事

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、かねてより懸念されていた中国による台湾侵攻のリスクをより意識せざるを得なくてはならなくなりました。

 台湾有事は、日本にとって他国の出来事ではありません。何故なら、中国による台湾侵攻の際には中国が制空権を確保するために、まず最初に沖縄、場合によっては本州まで攻撃されます。その際には、尖閣諸島への攻撃の可能性を指摘する専門家もいます。

 米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官は2021年3月に6年以内に台湾侵攻の恐れがあると証言しました。今回のロシアによるウクライナ侵攻においても、リスクはあっても侵攻までは起こらないというのが大方の軍事専門家の見方でした。しかし実際に侵攻は起きました。台湾侵攻も絶対に起きるとは言えませんし起きないに越したことはないのですが、起きてしまったら手遅れになる可能性があるのです。

 日本は核ミサイルを保有していません。核保有国同士は、相互認証破壊(MAD)といって、核を使うとお互いが自滅するので、まず核攻撃を受ける可能性は少ないと言えます。 そのため核を保有していない日本のような国は核攻撃を受ける可能性もあるのです。

 もし日本が核攻撃を受けた場合、アメリカが相手国に核攻撃をしてくれるかと言うと、先ほどの相互認証破壊(MAD)の原則から、アメリカは相手国に対して、日本の代わりに報復核攻撃はできないのです。

 では日本が核を保有したらどうなるか。確かに核による抑止力は働くようになります。ただし、憲法改正により敵国条項に抵触することになり、そのことによるリスクを覚悟しなくてはなりません。

 さらに日本の場合は、沿岸に原子力発電所が林立しているため、通常兵器で日本に壊滅的ダメージを与えることができます。

 ロシアのウクライナ侵攻と異なり、中国による台湾侵攻は中国政府による1つの中国という政策的な立場です。また台湾や日本はウクライナのような隣国と地続きでないため、陸路で国境を越えることはできません。

 今回のウクライナ侵攻により、ロシアは極めて大きな経済的制裁を受け、さらに国際社会から孤立しました。この状況から中国共産党は、台湾侵攻をした際の自国のリスクをより強く意識したかと想像します。一方、経済が低迷した中国において、中国共産党の求心力を高めるための台湾侵攻の可能性も考慮しなくてはなりません。特に独裁国においては、国家への求心力を高めるため国外に敵を作ることが少なくないからです。

 中国国内でクーデターが起き、習近平が失脚し、全く新しい政権ができれば台湾有事の可能性は回避できるかもしれませんが、少なくともそれまでは、台湾有事、そして日本有事の可能性を想定して、日本政府は有事の際の自国民並びに在台法人保護のための対策を講じておく必要が大いにあると思います。

画像はGoogle Mapからの引用です。

 

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