世界で起きている「事実」と「真実」を見極める

 私たちが普段、あたり前に解釈しがちな「事実」と「真実」について考えてみることにします。
 「事実」が人それぞれの解釈によって普遍的、客観的なものである一方、「真実」は人による解釈が介入する点が「事実」と異なります。

 従って真実について考察する前に、まずは事実を確認する必要があります。しかしここで大切なのは、知り得る事実の範囲、深さがどこまでかということです。すなわち部分的な事実を知ったところで、全体像に関しての真実について考察することは難しいということです。

 そこで私たちはできるだけ広い範囲、深さの事実を集めることを念頭に置く必要があります。さらには時間を遡って、今に至る経緯について調べることも大切です。

 次に事実をどこから入手するかについて考えてみます。自分の身の回りで起きたこと以外は、ほとんどの人はテレビや新聞で報道された内容に頼ることが多いのではないでしょうか。私は幼少期を1960年代に日本で過ごしました。その頃、子供にとって新聞やテレビ、ラジオで報道されていることは間違いのない事実であるという前提を、大人から教えこまされていました。多くの大人もそう信じていたからでしょう。今のようにインターネット経由で情報を入手することができない時代でしたから、特に海外の情報はほとんどの人にとってマスメディアに頼るしかありませんでした。

 マスメディア以外には学校教育による事実の認定も大きいと思います。しかし私自身、学校で学んだ歴史や国際情勢に関して、社会人になってから異なる事実を突きつけられることが少なくありませんでした。さらには昨今の新聞やテレビが時として事実と異なる報道をしていること、さらには重要なことを報道していないことにも気づきました。

 こうしたマスメディアや教育によって植え付けられた事実への確信は、結果的に洗脳と言い換えても良いかもしれません。洗脳というのはカルト教団が洗脳技術を使ってあからさまに行うだけでなく、私たちが日常生活の中でいつの間にか獲得することもあるのです。

 テレビコマーシャルも一種の洗脳と言えます。ワンボックスカーに乗った幸せそうな家族が海辺を走るシーンは、広告に使われた車と幸せな家庭生活を無意識下に少なからずインプットします。

 そこで私たちは、自らの洗脳や思い込みを解き、今一度事実を調べ、その事実から真実を考察する必要があります。

マスメディアや教育は、何故時として間違った事実を伝えるのでしょうか。一番大きな理由はマスメディアの場合はスポンサーへの配慮、教育の場合は為政者にとって有利か不利かが大きな要因になり得ます。特に後者はより大きな枠組みと時間の長さで、私たちに間違った事実をインプットする可能性があります。

 ここで少し立ち止まって、マスメディアや教育から得た情報が事実なのか、そしてそこから派生した真実と思えることについて再考してみることをお勧めします。

 特に国家間の争い事などは、マスメディアは一方の肩を持つことが少なくありません。2023年10月に発生したパレスチナのハマスによるイスラエル攻撃、そしてイスラエルの反撃などは良い例です。今回の出来事が何故起きたのか、歴史を遡って考えることが大切です。

 日本やアメリカのメディアに批判されているドナルド・トランプが、何故アメリカ国内で熱狂的に支持されているのでしょうか。それを知るには、マスメディア以外の情報からドナルド・トランプの情報を集める必要があります。

 新型コロナワクチンで史上最大規模の死者が出ているのに、マスメディアはサリドマイド薬害事件や薬害エイズ事件の時のような報道をしないのは何故でしょうか。

 以上お伝えした通り、私たちは教育やマスメディアによって確信した事実と呼ばれるものを再考し、さらにそれを掘り下げて真実に迫る必要性があります。冒頭で書かせていただいた通り、真実は人それぞれによって異なりますが、まずは事実の裏付けを持って自分なりの解釈を持つことはこれからの時代大変重要になると思います。

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