リスボンには日本のようなコンビニは皆無です。そしてデパートや超高級ブランドの路面店も日本に比べればわずかです。東京の銀座通りのように、同じ超高級ブランドが数百メートルの距離に店舗を構えていたり、銀座にも新宿にも表参道にも店舗を展開しているようなことはほとんどありません。ただし超高級ブランドでなければ、リスボン市内にある程度の店舗を展開している有名ブランドはあります。
やはり国民の平均所得がEUの中でもそれほど高くないことと、少量多品種の伝統が背景にあるのでしょうか。
アメリカや英国式のデパートは私の知る限り少なく、それに近いスタイルの百貨店は旧市街の中心部にあるスペイン系のエル・コルテ・イングレス(El Corte Inglés Lisboa)くらいではないでしょうか。日本で言えば三越・伊勢丹か高島屋といった感じのデパートで、他の店舗に比べるとより高級な品揃えです。
エル・コルテ・イングレス( El Corte Inglés )はスペインのマドリードに本社を置く、欧州最大の百貨店です。
エルコルテイングレスはスペイン語で「イングランド仕立て」の意味ですが、前身の注文服店に由来するとのことです。
1階(ポルトガルでは0階)にはテスラのショールームがあります。
ここの地下には日本のデパ地下の代わりに、大きなスーパーマケットがあり、宅配やネットでの通販にも対応しています。新型コロナで外出を控えている最中は、ミネラルウォーターなどを調達するのに重宝しました。
リスボンの都市部が郊外に拡張し続けているせいか、大型のショッピングモールはあちこちに点在し、ヨーロッパというよりアメリカや日本のベッドタウンに似たものを感じます。少々風情には欠けるものの、ありとあらゆるものが揃っており、フードコートや駐車場が完備しているので市民にとっては非常に便利な存在です。
リスボン市内ではコロンボ・ショッピングセンター(Colombo)、ヴァスコ・ダ・ガマショッピングセンター(Centro VASCO DA GAMA) が有名です。
大型のショッピングモール以外にも、 スウェーデンの家具店IKEAやスポーツ用品専門のDecathron、家電量販店のWorten、大型スーパーマーケットのContinenteなどの大型店舗が軒を連ねているエリアがあります。こうしたエリアに行くと甚だ便利な反面、ポルトガルもいよいよ大量消費の時代に入るのかという期待と不安が入り混じった複雑な思いがいたします。
やや小規模なショッピングセンターとして、市の中心部にあるアモレイラス・ショッピングセンター(Amoreiras Shopping Center)があります。80年代初頭に建設された前衛的なビルですが、屋上に展望台があり、フードコート、大型スーパーマーケット(Auchan)、衣料品、郵便局、銀行、両替所などの店舗が2フロアに展開され便利です。上層階はオフィスです。
ショッピングセンター、ショッピングモールに行くとほぼ必ず見かけるのが電話会社の窓口です。大手のNOS、MEO、そしてボーダフォンがしのぎを削っています。私はNOSと契約してますが、日本のDoCoMoのようにあらかじめ予約を入れる必要がなく、飛び込みでも待ち時間は非常に短いです。
何しろポルトガル に着いてすぐ携帯、固定電話、ケーブルテレビ、ポケットWifiの契約をするのにものの15分で終了してしまった手際の良さには驚きました。DoCoMoでやたらと多くの書類にサインして、契約まで1、2時間を要したことが嘘のようです。
次に地域社会におけるスーパーマーケットですが、ピンゴ・ドーセ(Pingo Doce)というスーパーチェーンが大きなシェアを誇っています。
それ以外にはより大きな売り場面積のContinenteやフランス資本のAuchanをよく見かけます。
コンビニは皆無、スーパーの数も住んでいる地域に1つか2つくらいという感じですが、それに比べて薬局は比較的多い印象です。
ところでお店での支払いですが、現金やクレジットカードの他に、Multi BancoというポルトガルのATMで使えるデビットカード決済システムが主流です。小さいお店や郵便局などではクレジットカード決済ができず、現金かMultiBancoしか使えない場合があるので注意が必要です。
なおMultiBancoのカードを持っていてもまだまだ現金が必要な場面は残っています。例えば郵便局がEMSを届けに来た際の税金の支払いは現金しか選べないことがあるので、やはり小銭を含めた現金はすぐに出せるようにしておく必要があります。(注:EMSの税金の支払いは2021年7月頃からネット決済になりました。)
なおポルトガルでのクレジットカードの主流はVISAかMasterで、アメリカン・エクスプレスは使えない店も少なくありません。
さて買い物をする際の物品税ですが、軽減税率を採用していて、例えばパンは6%、ミネラウォーターで13%、その他23%です。会計の際に税番号(NIF)をお店の側に伝えることで、翌年の税申告の際に条件に応じてお金が還付されます。UBER Eatsで注文する際も、スーパーのセルフレジでお金を払う際も、郵便局でお金を支払う際も税番号を通知します。
ポルトガルに来た当初は、ユーロを常に円に換算していましたが、このところはユーロの数字だけで判断して買い物をするようになりました。
(タイトル写真はリスボンの旧市街にあるアモレイラス・ショッピングセンターです。上層階はオフィスで屋上に展望台があります)
オリエンテ駅に隣接したヴァスコ・ダ・ガマショッピングセンター
アモレイラスショッピングセンターが入居する前衛的なビル。上層階はオフィス。
クリスマスシーズンのアモレイラス・ショッピングセンター。以下の2枚も同様。
アモレイラスショッピングセンター付近には、24番のトラムの乗り場があり、観光客に人気のあるBaixa地区の中心地まで行くことができます。
クリスマスシーズンのエル・コルテ・イングレス(El Corte Inglés Lisboa)
El Corte Inglés Lisboaにあるテスラのショールーム。リスボンではテスラをよく見かけます。
大型ショッピングモールのColombo。2棟が中央の建物で結ばれています。上層階はオフィスです。
Colomboの中央の建物の吹き抜け。ここを取り巻くように周囲に店舗が展開されています。インフォメーションはこの吹き抜けの一角にあります。
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