リスボンのハンバーガー

 リスボンで意外だったのは、地元のハンバーガーが美味しいということです。ポルトガルはヨーロッパの各国の中でも食事が美味しい方だと思いますが、ハンバーガーも素材の新鮮さや使っている油にその秘密があるような気がします。

 ハンバーガーが現在の形になった場所と時期については諸説あるようですが、20世紀初頭のアメリカというのが有力だそうです。私も物心ついた頃、すなわちまだマクドナルドが日本に上陸する前に、テレビ番組の「ポパイ」に登場するウインピーという人物の台詞が印象的でした。

 この登場人物の名は、正式にはJ.ウェリントン・ウィンピー(J. Wellington Wimpy)というそうですが、日本語の吹き替えで「ハンバーガー買うから1セントおくれ」という台詞が忘れられません。この何とも図々しいキャラクターが子供ながらに印象的でした。

 80年台の初頭にロンドンに初めて行った際に、地元にウインピーというハンバーガーショップがあり、後にポパイの登場人物にちなんだものとわかりました。

 ところで、ポパイの恋人のオリーブの本名はオリーブ・オイル(Olive Oly)とのことですが、オリーブオイル(Olive Oil)にちなんで名づけられたようです。

 アメリカのハンバーガーと言えば、何と言ってもマクドナルですが、ジャーナリストのトーマス・フリードマンが、著書『レクサスとオリーブの木』の中で、「マクドナルドの店舗がある国同士は戦争をしない」というマクドナルド理論(黄金のM型アーチ理論)を提唱しました。ただし1999年のアメリカ合衆国のセルビア爆撃でこの学説は破られました。

 さらに「ビッグマック指数」という国内通貨価値を知る上での経済指標もあるようで、ハンバーガーが世界経済に及ぼした影響は計り知れません。

 最後に、私個人はリスボンの地元のハンバーガーの方が、マクドナルドなどの大手のハンバーガーチェーンに比べて、味ははるかに上だと感じています。

 

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