かつて警察庁長官や官房長官を務められた後藤田正晴氏が生前、心が冷たい人は政治家に向かないとおっしゃっていたという話をよく耳にします。
後藤田氏は政治家としての判断や決断においては、温かい心で人々を支えることが重要だと語られていたそうです。
その優しさが、最終的には国民の信頼を得ることにつながり、政治家としての真の力を発揮するものだと考えられていたようです。
後藤田正晴氏は、政治家の心は国民に対する誠実さ、責任感、自己犠牲、そして信念を持ち続けることに基づくものと語っています。
私は若い頃、後藤田正晴氏の警察庁時代の部下であった佐々淳行内閣安全保障室長が顧問をされていた勉強会に所属していたことがあります。
小中高の大先輩でもある佐々先生のお言葉は、その後の私の人生に大きな影響を与えました。
日本における危機管理の第一人者である佐々先生からはリーダーにおけるノブリスオブリージュ(高い地位についた者に課せられた義務)の大切さ、ゲゼルシャフト(利害や契約による結びつき)ではなく、ゲマインシャフト(共同体的結びつき)であれなど、数多くを学ばせていただきました。
そこには佐々先生のリーダーとしての力強さと共に、人への温かい眼差しが込めれていました。
佐々先生は浅間山荘事件の際に、ご自分の部下が殉職された時の断腸の思いをご著書に書かれています。
後藤田長官と一緒に弔問に訪れると、亡くなった機動隊員の妻が泣きじゃくり、その傍で気丈な母が「泣くのはおよしなさい、息子はお国のために死んだのです。」と語る光景に出会い、これが後藤田氏とご自身にとっての一生のトラウマであると語ってらっしゃいました。
ある日佐々先生から、危機管理の成功例として1986年に発生した三原山噴火時の官邸主導による全島避難についての経緯についてお伺いしたことがあります。
危機管理の原則である最悪の事態の想定を、政治家生命をかけて実行して成功した実例と言えます。
細かい文言の正確でない点はお許しください。
「もし噴火しなかったらどうします」と問う佐々先生に対して、当時の後藤田正晴官房長官は、
「腹でも切ればいいだろう。住民が助かればそれでいいさ。佐々君、きみも巻き添えだよ、ワハハ」
と答えられたとのこと。
官邸主導による、まさに独断での避難命令に大騒ぎするマスコミを避けて都内のホテルに逃げ込んだ後、
「佐々君、島民が無事避難できたね。これで大騒ぎになる前に我々も逃げるぞ。ワハハ」
このお話をされた際に、佐々先生は「この危機の最中に霞が関(当時の国土庁など関係省庁)は何をしていたと思う?」と私たちに問いかけられました。
「何と、災害対策本部の名前をどうするかを3時間も議論していたんだよ!あきれたね!」
現在、このように自身の進退を賭けて国民のために行動を起こせるリーダーが政界に何人いるのでしょうか。
特に近年においては、現職を含む歴代の総理大臣からは、弱者に寄り添う優しい心や、職務を全うする責任感が微塵も感じられないのです。
mRNAワクチンにより尊い命を失った方々とそのご遺族、後遺症にお苦しみの方々、子宮頸がんワクチンにより希望を奪われた若き乙女の声を黙殺し、増税と移民政策という亡国の政策を推進する高市早苗総理大臣。
私にとってその姿からは、国民のためではなく自己実現のための権力行使と冷酷さそして保身の姿しか見てとれないのです。
日本に今必要なのは、ノブリスオブリージュの精神と温かい心を持った本物のリーダーです。
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