緊急事態条項は憲法違反になり得るか


ー日本国憲法は権力を縛るルールであり続けるべきー


 衆院選で大勝した高市首相率いる自民党は、ワクチンの大薬害を黙殺、亡国の移民政策を推進、所得税1%増税という暴挙、悪政治を推進しています。

 今後予想されるのは消費増税と改憲ですが、改憲の中でも9条以外に議論を避けられないのが緊急事態条項です。

 私もその危険性には十分気づいてはいるつもりですが、日本国憲法の条文に照らし合わせたとき、そのものが違憲につながる可能性について言及しておきたいと考える次第です。
 最初に結論から申し上げますと、日本国憲法は権力を縛るルールであるはずのものが、緊急事態条項により国民を縛るためのルールに変容する可能性があるという点で極めて危険な概念だと判断しています。

 日本政府は災害や危機に迅速に対応するため、緊急事態条項が必要だという論理で緊急事態条項の必要性を説いているようです。 

 ところが日本国憲法の構造全体を眺めると、緊急事態条項は憲法と深刻な相反関係を持つことが分かります。

 繰り返しになりますが、最初に明確にしておきたいのは日本国憲法は「権力を縛るルール」であり「国民を縛るためのルールではない」という点です。`

 すなわち国家権力が暴走しないよう、権力を行使する側を縛るための最高ルールが憲法です。

 この考え方を最も明確に示しているのが、以下の憲法99条です。

 憲法99条:権力者は常に憲法を守る義務を負う
 憲法99条は、総理大臣、国会議員、裁判官などの公務員に対し、この憲法を尊重し擁護する義務を課しています。

 ここで重要なのは、この義務が国民ではなく権力者だけに課されていることと緊急時は除くといった例外が一切書かれていないことにあります。

 すなわち憲法99条は、どのような状況下でも、権力者は憲法に縛られ続けるという立場を取っているのです。

 さらに日本国憲法の条文には以下があります。
 憲法11条と97条においては人権は国家より上位にあることを謳っています。

 すなわち憲法11条は、「国民がすべての基本的人権を妨げられないこと」を定め、97条は、人権が「侵すことのできない永久の権利」であることを明記しています。

 これらの条文は、国家が必要だからという理由で人権を自由に制限できないという原則を示しています。すなわち人権は国家が与えるものではなく、緊急時でも原則として侵害不可ということです。

 ところが、緊急事態条項によって行政が広範な権利制限を独自に判断できるようになれば、これらの条文は実質的に空文化してしまうのです。

さらに憲法41条に照らし合わせると、緊急事態条項が国会を迂回する危険を孕んでいることがわかります。

 憲法41条は、国会を国権の最高機関と定めています。

 国の重要なルールは、国民の代表である国会が決めることが原則です。
 ところが緊急事態条項では、国会の機能が制限されたり、内閣が法律と同等の効力を持つ命令を出す仕組みが想定されがちです。

 これは国民の代表を通さずに行政が統治する構造を生み、国民主権の原則と衝突します。

 さらに深刻なのは、緊急事態条項が適用されるだけでなく、終わらなくなる危険性がある点です。
 緊急事態条項の議論では、誰が緊急事態を宣言するのか、あるいはどのような権限が与えられるのかについては語られますが、いつ、誰が、どの基準で終了を宣言するのかが曖昧なままにされがちなのです。

 そうなると開始と終了の判断を同じ権力主体が握るなら、緊急状態は延長され続け、例外が常態化する危険があります。
 この状態では、憲法は形式上存在していても、実質的には「停止」したのと同じになります。

 さらに憲法81条は裁判所に違憲審査権を与えていますが、緊急事態下では裁判が事後的になり、判断が間に合わなくなる可能性があります。

 その結果、違憲かどうかを判断する仕組みそのものが機能しないという事態が起こりえます。

 以上をまとめると、憲法を守る義務を負う権力者が、自らの判断で憲法の拘束から自由になり、しかもその状態をいつまで続けるかも自分で決められるという恐ろしい事態が想定されるのです。
 
 すなわち憲法99条だけでなく、憲法11条・97条・41条・81条など憲法全体の構造と矛盾するのです。

 そればかりか、権力を縛るルールから国民を縛るルールに変容するという、憲法の理念そのものを揺るがす事態となりうるのです。

 冒頭で書かせていただいた通り、日本国憲法は権力を縛るルールであるはずのものが、緊急事態条項により国民を縛るためのルールに変容する危険性を私は最も懸念する次第です。

 緊急事態条項という権力の暴走は何としてでも阻止すべき、国民にとって有害無益の概念であると確信しています。

 今回の衆院選が憲政史上最悪の結果をもたらさないことを祈るばかりです。

 緊急事態条項については、かつて古舘伊知郎さんがニュースステーションでドイツのワイマール憲法になぞられてその潜在的危険性をアナウンスしたことがあります。

 ご記憶の方も多いかと思います。

 憲法の仕組みを使って独裁を作る、つまりワイマール憲法の弱点(第48条: 非常事態条項)が、ナチス独裁を合法的に可能にしたのです。

 賢いドイツ人が何故ナチスドイツを信奉したのでしょうか。

 ハイパーインフレなどの国家的危機の中で、ナチスが最も秩序と安定を回復できる合理的選択に見えたことが1つの理由で、人は強い不安を感じると強い指導者や単純な解決策を求めやすくなることが後押ししたと考えられます。

 止められるタイミングは何度もありましたがその度に通り過ぎ、段階的に進んでいったため、気づいたときには独裁国家に変わり果てていたということです。

 移民政策も緊急事態条項も今なら止められます。日本がかつてのドイツのようにならないためには、国民ひとりひとりの政治への参画意識が求めれると確信しています。

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