シトロエンDS ( Citroën DS )

リスボンに来てから東京ではめったに見ない往年のシトロエンDSと出会う機会が増えました。随分とこの形には慣れましたが、他の星から来たようなデザインには毎度驚かされます。
 
祖母が買ってきてくれた、グレーと白のツートンのミニカーが、DSとの最初の出会いでした。
 丸目だった初期のDSの誕生は67年前の1955年ですが、時を経てもその革新性は色褪せません。
 初めてパリを訪れた1977年には、フランス国内ではタクシーを含めまだ随分走っていました。
 シャンゼリゼ大通りで、ベタっと伏せていたDSが、油圧の力でグッグッグッと車高を上げて走り出す姿は忘れられません。
 映画「ジャッカルの日」の冒頭のシーンでも描かれた、「プティクラマール事件」で当時フランス大統領だったシャルル・ドゴールと夫人の命を救ったのもDSでした。
 ドライバーの超人的な運転技術と共に、後輪を撃ち抜かれても高速走行で危機を脱出できたのは、DSの前輪駆動とハイドロニューマチックシステムによる高速安定性のためと言われています。
 暗殺未遂事件後のシャルル・ドゴールが、後部トランクの昼食用の鶏について、「鶏は大丈夫だったかね」と訊ねたというエピソードがあるそうです。



Citroën DSUPER


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