マスク(サージカルマスク)の性能についての誤った情報が拡散されていることが気になったので投稿させていただきます。 新型コロナウイルスの大きさは単体で約0.1μmのため、それよりもはるかに大きなマスクの穴を通過してしまうという誤った情報です。。
マスクはフィルターの網目の細かさでウイルスの通過をブロックしているわけではありません。マスクのフィルターには分子間力や帯電効果などによって微小物質を引き寄せる力があります。従ってウイルスよりフィルターの編み目が大きいとしても、ウイルスを捕集することができるのです。ただしマスクは正しく装着しないことには捕集効果は激減します。マスクと顔の隙間をキッチリとふさぐ事が大切です。なおウレタンマスクのような、形だけで集塵効果がほとんどないマスクは論外です。
詳しくは新型コロナウイルスや花粉症でのマスク装着に関する日本 エアロゾル学会の見解
https://www.jaast.jp/new/covid-19_seimei_JAAST_20200327.pdf をご参照ください。
マスクは正しく装着することで、飛沫感染並びにエアゾル感染のリスクを軽減できるだけでなく、人が1分間に20−30回無意識に手を顔に触れる習慣があるので、手からの感染リスクを軽減する効果もあることなどが実験で証明されています。
特にオミクロン株は上気道感染のリスクが高いので、感染防止にマスクは有効です。
手からの感染については、もっとアナウンスされて然るべきで、それは感染症の専門家からは今回のウイルスは変異株によっては糞口感染のリスク、すなわちトイレにおけるウイルスの付着の危険性を指摘しているからです。ヒトコロナウイルスSARS-CoVおよびSARS-CoV-2の機能的受容体であるACE2が腸内に最も多いからです。トイレにおいては便座やドアノブなど身体が触れるものを消毒しておく、トイレを流す際に蓋を閉めて行うなどで、手にウイルスが付着することを予防できます。
言うまでもなく、マスクアレルギーの方、あるいはマスクをすることで身体に異常が発生する方などに関しては別に考える必要があります。また医療関係者が使うN95マスクですら、最大95%しか防御できないという限界も知っておく必要があります。さらに長時間使用することによる酸素不足と二酸化炭素の過剰摂取、さらに湿度による口内環境の汚染にも気をつける必要があります。
私は、従来からの感染症と同様に集団免疫の獲得による感染拡大収束が最終的な目標であるとは思っております。それもワクチンの副作用の多発、ならびに長期的な影響が確認できていない現在、ワクチンなしでの集団免疫に向かうべきではないかと考えてます。
ただし、高齢者や基礎疾患をお持ちの方などの犠牲を伴う集団免疫ではあってはならないと思っております。また今後SARSクラスの変異種が発生するリスクにも備えなくてはなりません。
従って私は自分のためのみならず、他者への知らぬ間の感染や不安を与えない意味でも、屋外でも人が接近した際にはマスクを着用するようにしています。
以下はアメリカ国立衛生研究所のマスクの有効性を示す論文です。
US National Library of Medicine National Institutes of Health Search database
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