伝書鳩 もうひとつのIT

 自分がブログやSNSに投稿した文章が、世界中の方々に読んでいただけると考えると、インターネットがコミュニケーションの世界に劇的な変化をもたらしたことを改めて実感致します。
 
 1977年に始まり、これまで何度も海外に出かけましたが、旅客機の輸送能力は劇的に向上しましたが、巡航速度についてはコンコルドの時代を除くとジェット機が就航して以来ほとんど変化がありませんでした。その一方で情報通信の量とスピードは劇的な変化を遂げました。
  
 私にとっては旅客機の速度が今のままでもそれほど不便は感じませんが、インターネット抜きに毎日の生活は成り立ちません。

 ITの進歩に驚きながらも、一方で自然界に目を向けたとき、ITの進歩とは比べようのない、その悠久の営みと奥深さ、さらにはそのメカニズムの精緻さに驚嘆せざるをえません。
 
 「伝書鳩 もうひとつのIT」(黒岩比佐子著 文藝春秋)を拝読させていただきました。
 感動したのは、鳩が現代のハイテク旅客機顔負けの航法技術をもって目的地に到達しているという事実です。
 
 人間は主として文明を自らの外側に構築することに何世紀もの間尽力してきましたが、そろそろ自らの内なる可能性に真剣に眼を向けるべき時代に突入しているように思います。

 人類が言語の力によって高度な文明を築いてきたことは間違いのないことですが、その一方で

言語により抑制された人間本来の能力も同時に存在します。

 哺乳類は集団で生活することの宿命を持っています。集団生活においては、共存共栄がしなやかに行われないことには自他の破滅を招きます。

 人類が人としての自らの宿命と、自らに宿したその無限の可能性に気づく時、人が人を支配する時代から共存共栄の時代へのパラダイムシフトが起きることを願ってやみません。

 写真はリスボン国際空港のアプローチする現代の旅客機です。
  

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