人生のおける「問題」とは何か、解決法とは何か

 生きていると、人は様々な問題に直面します。お金のこと、健康のこと、人間関係など、様々です。それが辛いことであれば、多くの人がそれを「問題」ととらえます。しかも単なる与えられた課題としてではなく、いわゆる問題、すなわち困ったことと捉えるのです。
 しかし、それは本当に困った「問題」なのでしょうか。そのことを問題ととらえる前に、物事はすべて何らかの理由があって必然的に起きるものと考えてみてください。そうなると、その問題にはいいも悪いも存在しないことになります。むしろ捉える側の人間が、良し悪しを最初から決めつけていることになります。


 そうは言っても、お金のこと、健康なこと、人間関係で苦しい思いをすることを肯定的に捉えられないではないかという方も大勢いらっしゃると思います。ごもっともです。しかしその時点で苦しいこと、辛いことであっても何らかの肯定的な理由があって起きていることであれば、それを肯定的に乗り越えれたならば、あなたは何らかの成長の材料を得られるはずです。

 世の中に問題があるのではなく、ただ出来事がありそれを問題視することにより人間が問題を作っているのです。辛いこと、悲しいことは起こります。しかしそれを問題と捉えずに、肯定的な理由があって起きていることと捉えてみたらいかがでしょうか。

 そもそも起きている現象はその人の内面の投影なのです。元気な時とそうでない時と周囲が違って見えることはありませんか。もし宝くじで1億円当たった直後に、電車で人に足を踏まれても怒る気がしませんよね。だから客観的、固定的な環境は本来存在しないのです。環境や出来事の解釈は、その人の認知で成り立っているのです。辛いことと、良くないこととは本質的に異なります。

 そして大切な解決法についてです。問題ではないのですから解決という言葉は相応しくないかもしれませんので、取り組み方という言葉を使ってみてもいいでしょう。
 アインシュタインは解決のためには、同じ次元で考えずに1つ上の次元で考える必要があると言っています。別の表現を使うと抽象度を上げるということです。8階建てのビルの屋上よりも東京タワーの展望台の方が広い視界を得られるのと同じ理屈です。

 具体的な例でお伝えしてみることにしましょう。これは実際に聞いた話なのですが、海外に住んでいた人が日本に帰る際に、元々住んでいた東京ではなく、金沢を選択したという話です。すなわち東京に戻るという視点を、日本に戻るという風に視点を上げたら、別の選択肢が見つかったのですね。

次にアインシュタインはもう1つ重要な言葉を残しています。

原文は” I would spend 55 minutes thinking about formulating the problem and give five minutes trying to solve it.”

「私は問題を定義することを考えるのに55分を費し、残りの5分でそれを解決しようと試みるだろう。」

 すなわち、解決することを先に考えるのではなく、行動を起こすための必要な情報収集をすることに時間を費やすることが大切だということです。すなわち問題を定義するための問いかけが重要だということです。
 こちらも具体的な例を上げて考えてみることにします。マスコミ志望の若者が、新聞社に入社するために様々な情報を集めているとします。この若者がある時、自分が本当にやりたいことを真剣に考えた結果、動物と触れ合うことだと気づきました。そこでもう一度大学に入り直して動物に関係する仕事についたとします。「マスコミ志望」と思い込んでいた自分自身に別の願望があることに気づいたのは、適切な問いかけをしたからと言えます。

 以上のことをまとめます。
 起きてきた出来事を問題視することで。せっかくのよいチャンスを逃していませんか。そして何かの解決方法を知りたいのであれば、抽象度を1つ上げる、そして問いかけにより解決しようとしている対象の本質に気づくことが大切ということです。

 

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