2017年に50周年を迎えた、ミラノの宝石店ポメラート。
それを記念したポメラートの写真記録本を、知り合いのスタッフの方からいただいたので早速目を通しました。コーヒーテーブルブックとも呼べる、分厚い書籍です。
ポメラートが創立された1967年という年は、オートクチュール、サイケデリック、アポロ計画、ツイギー、日本も世界も未来への夢と希望に溢れながら、ベトナム戦争と冷戦、若者とドラッグなど混乱と混迷の時代でもありました。
ポメラートはドレスアップの際の宝飾品から、日常生活での宝飾品への大胆な提案は、時代の転換期に見事なまでに華を咲かせたと言えるでしょう。
欧州の宝飾品ブランドの中でも、ブルガリやカルチェなどとは異なるファッションスタイルを提案したことが、ポメラートの魅力を支えてきたことがよくわかります。
私にとって1960年代はファッション、映画、車のデザイン、インテリアなど様々な分野において、ヨーロッパのエレガントさが華咲いた最後の時代だったように思います。
写真のプジョー406は夕方の散歩の際に見かけたものです。いかにもイタリアのピニンファリナの作品らしい車です。
私にとっては、プジョー605と同様、60年代のエレガンスを継承した最後の時代の車のように思います。
強面で繊細さ、エレガンスが薄れた昨今の欧州車の中からは、欲しい車が見つかりません。
私にとってのヨーロッパはやはり70年より前の時代です。最初にヨーロッパを訪問した77年には、パリでシトロエンのDSや縦目のメルセデスのタクシーが走っていました。ミラノでも箱型のフィアットやシトロエンアミなどが路上に停車している姿を目にしました。
欧州の街並みはその頃からあまり変わっていませんが、街並みに彩を添える自動車のデザインが無国籍で機能的になりすぎたのが残念です。
ヨーロピアンエレガンスは私にとっての永遠の憧れです。
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