「脱・移民利権」 労働鎖国こそ日本の進むべき道


 日本では外国人の不法滞在と単純労働者の受け入れについての議論が、SNSを中心に活発になり、また関連したデモが各地で行われています。

 不法滞在と単純労働者の受け入れへの反対派は日本の治安の悪化、経済への悪影響を懸念し、賛成派は反対することが外国人差別につながることを主な理由にしています。

 最初に私の結論を申し上げますと、不法滞在については、そのものが犯罪行為のため、強制送還など断固とした措置をとるべきだと考えています。「不法」なのですから議論の余地はありません。

 またこの問題は外国人差別とは全く関係はなく、これまで日本で働かれてきた正規の在留資格を持つ外国人の方々への感謝のあるなしを問うこととは別次元の話であることを明確しておきたいと思います。

日本政府の移民政策に反対する人も、外国人の日本社会への貢献に感謝しない人は恐らくひとりもいないでしょう。

 その一方で、外国人単純労働者の受け入れについては、過去の歴史ならびに現在の欧米の状況から成功した例は1つもなく、治安の著しい低下と経済への悪影響が間違いなく予想されるため、賛成しかねる措置と考えます。

 多文化共生が幻想であることは、ここ数十年の欧米での実例を見れば火を見るより明らかです。
 
来日する外国人と共に生きる、働く、それはそれで良いことですが、発展途上国からの数万人、数十万人単位の単純労働者を日本社会が受け入れられるかという問題とは明らかに別問題なのです。
 
 繰り返しになりますが、海外からの大量の単純労働者の受け入れに懸念を示すことは、外国人差別とは全く次元の異なる話です。あくまでも国家の政策面での話であり、むしろ重労働を低賃金で外国人に強いる政策そのものが外国人差別そのものに他ならないと思います。

 以下この問題についてもう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

(1)クルド人問題

 クルド人が差別や政治弾圧を受けているというのはすでに過去の話です。トルコ政府が問題視しているのは、トルコからの独立を目論むの一部の過激派組織であり、クルド人に国籍や人権が与えられていることは在日のトルコ大使が明言しています。

 それを裏づけるように、日本の政治家やジャーナリストがクルド人の居住地を訪問した際に、彼らが現地で普通の暮らしをしていることを語っています。

 中には日本に行く必要など全くないと明言するクルド人の話も聞くことができました。
 
 そもそも「難民」が旅客機に乗って観光ビザを使って来日できるのでしょうか。日本とトルコとの間には90日間の観光ビザ免除の協定が結ばれています。そこで観光ビザで日本に入国したクルド人が合法的滞在期間中に難民申請をして、偽装難民として何年もの間日本に住み続けているのです。
 
 これまで難民と認定されたクルド人は、私の知る限りわずか1名です。
 7月には偽装難民のリーダー格であるマヒルジャンという男が強制送還されましたが、その後自主的に母国に帰国するクルド人が相次ぎました。強制退去になると財産を没収されるからと想像しますが、自主的に帰国する者が「難民」でないことは明らかです。

 難民申請すると、たとえそれが偽装難民だとしても受理せねばならず、その結果が出るまで2、3年かかるため彼らは仮放免の形で日本に長期滞在できてしまいます。2023年に入管法が改正されるまでは何度も申請を繰り返すことができたので、マヒルジャンのように20年もの間日本に不法滞在したクルド人もいたのです。

 この偽装難民は川口市などで主に解体業に従事し、中には過積載や不法投棄、少女への性的暴行など、様々な問題を起こす者が現れ、地元で大きな問題になっているのです。
 
 トランプ政権のキャロライン・レビット報道官がかつて明言した通り、不法滞在者は全員犯罪者であり、不法滞在者を擁護する余地は一切ありません。

(2)外国人単純労働者の受け入れについて
 
 現在ヨーロッパでは移民による治安の悪化と経済への悪影響で大混乱が起きています。
 平和な国の代表格だったスウェーデンが今や凶悪犯罪、性犯罪による治安の著しい低下が起きています。

 ドイツのメルケル政権によるのシリア難民受け入れから欧州の治安は著しく低下しましたが、実はその何十年も前からドイツやフランスでは外国人単純労働者の問題が起きていたのです。
 
 すなわち、アフリカや中東からの低賃金外国人労働者を受け入れたことにより、社会にそれまでにない貧困層のコミュニティが発生し、治安の悪化のみならず、移民を受け入れるための社会的費用が財政を圧迫、受け入れ国の言葉を話せない子供の学校教育の問題など、後戻りが難しい社会問題を抱えるようになったのです。

 現在デンマークでは、こうしたゲットーと呼ばれる特殊地域の撲滅に政府が乗り出していますが、移民を一度入国させると問題が起きた後で帰国させるのが非常に難しいのです。

 地中海やドーバー海峡を命がけで渡ってくる不法移民だけが社会の脅威なのではありません。合法的に旅客機で日本に来日する外国人労働者がそのまま帰国せずに特殊なコミュニティを形成するリスクも、同じく社会の脅威になりうるのです。

(3)日本で人手不足は本当に起きているのか

 2023年にヤマト運輸は業務委託契約を結んでいた2万5000人の個人事業主との契約を打ち切りました。これにより、配送を担当していた人員が一気に削減され、社内の人件費も圧縮されました。

 人件費の削減にはつながったものの、その後日本郵政との提携がうまくいかず、さらにサービスの品質低下で企業イメージが著しく低下、同年9月の時点で150億円もの赤字を計上しました。
 
 ところが同社は2025年になって特定技能制度を活用したベトナム人大型トラックドライバーの採用・育成に関する協業にベトナム企業と基本合意書を締結しました。
 日本人を大量解雇した2年後に外国人を採用する奇妙さに首を傾げざるを得ません。

 これは1企業における事例にすぎませんが、果たして日本の職場で外国人を雇用しなくてはならないほどの人手不足が起きているのでしょうか。
 
 定年退職した後の高齢者、子育てを終えた後の女性、障害者、未就労の若者、追加就労希望者などに十分な給与を支給すれば人手不足は一気に解消するはずです。

 統計局のデータを見ても、人手不足の原因は労働に見合わない低賃金にあるようにしか思えません。
 少子高齢化による人手不足の訴えは、外国人労働者を安い賃金で雇用するための演出のように思えてなりません。

 発展途上国の人なら低賃金でも重労働を引き受けてくれるだろうという、外国人差別とも呼べる人件費削減が目的にしか思えないのです。

(4)偽装留学生、偽装技能実習生を支える利権集団

  日本が外国からの留学生や技能実習生を受け入れることは、本来の目的に適ったものであれば拒否する理由はありません。

 ところが留学生や技能実習生の多くが日本での就労目的や移住目的で来日しているのです。
  外国人留学生に認められているのは週28時間以内のアルバイトですが、新聞販売店などではその時間内で収まるはずがなく、ルール違反を隠蔽するため時間外の賃金を未払いにしているケースがあると長年この問題を取材してきたジャーナリストから聞いたことがあります。

 今では日本語学校が日本各地に展開されていますが、要は留学生の多くが就労や移住を目的で来日しているのです。

 一方、技能実習生の就労先は農業や介護現場などと世間では想像されがちですが、実際はコンビニの弁当工場などの単純労働がほとんどで、果たしてこれが母国に帰国してから使える「技能」なのでしょうか。

 そして技能実習生の失踪が今日では後を絶たないのが現状です。中には犯罪に手を染める者まで現れていますが、その背景の一つに多額の借金を背負って技能実習生として来日する外国人が少なくないという実態があります。

 その借金の多くが母国の斡旋業者に支払う手数料です。100万円、150万円といった手数料は、多くの発展途上国の賃金や物価を勘案すると、とてつもない大金です。

 そうした斡旋業者、ブローカーはこうしたビジネスで大儲けをしています。同じく受け入れ国である日本の管理団体も破格の報酬で大儲けです。管理団体とは名ばかりで、ろくに管理もしていないが故に実習生の失踪が多発するのです。

 要は日本が外国から留学生や低賃金の労働力を受け入れることで、斡旋業者、管理団体、雇用主たる中小企業の利益につながっているということです。

 すなわち外国人の単純労働者受け入れは、一部の集団が利益を貪るだけで、労働市場の低賃金化により日本人の給与水準の低下と、労働市場からの日本人の締め出しを招くだけの亡国の政策と言えます。

 移民政策が単なる労働力の確保が目的ではなく、巨大な利権を背景にしているところが、正論が拒絶される最大の要因なのです。

(5)アフリカ4カ国のホームタウンという狂気
 
 私の住むリスボンのクルーズ船ターミナルには、地中海クルーズや大西洋クルーズの客船に混じって、アフリカの国々に寄港してきた客船もやって来ます。

 下船した乗客に聞くと、寄港したアフリカの都市によっては武装警官か軍隊に警護されて観光する都市もあるとのこと。

 今年の8月にJICAが日本の4都市をアフリカのホームタウン計画にすると発表された国々の中にもそうした国が含まれています。

 私には中南米やアフリカの国々出身の友人が少なからずおります。彼らは教養も礼儀作法も申し分なく、ポルトガルというカソリック国の文化や風習に同化しています。従って私はこうした国々に対し敬意を表することはあっても、敵意を感じることは一切ありません。

 その一方で、日本政府が推進する移民政策により来日する発展途上国からの大量の単純労働者に同じような期待はできるのでしょうか。ドイツやスウェーデンで移民による殺人事件や性犯罪をはじめとする凶悪犯罪が多発している現実を見るにつけ、多文化共生などという幻想は一気に吹っ飛ぶのです。

 単純労働が良くないとか、職業の貴賎を問うつもりはまったくありません。要は低賃金で重労働を強いられる新たな集団、事実上の被差別集団が発生することにより、かつて経験したことのない社会構造が日本社会に生まれることの危険性について立ち止まって考える必要があると言いたいのです。

 ナイジェリア、モザンビーク、タンザニア、ケニア、インド、バングラデシュ、パキスタン、エジプト。

 こうした国々から数万、数十万単位の単純労働者、要は大量の失業者が日本に定住したらどのようになるのか、ある程度の社会経験のある大人であれば想像がつくというものです。

 女性や子供はもちろんのこと、男性ですら夜間の外出を憚れるような事態となるでしょう。
 木更津市をナイジェリアのホームタウンにしても問題ないとおっしゃった千葉県知事は、ナイジェリアに武装警官の警護なしで長期滞在してみる勇気があるのですか。

 イスラム過激派紛争、女性の誘拐と子供の人身売買、キリスト教徒の迫害など、そうした状況を肌身で体験したならば発言を撤回されるに違いありません。

 世論の猛反発を受けて、JICAはホームタウンという言葉は撤回したものの、元官房長官からインターン制度だから大丈夫などという発言を聞くにつけ、日本政府の移民政策は水面下で進行中と理解して間違いないと思います。

 ホームタウン計画が発表された直後、ナイジェリア政府のホームページを見たところ、ナイジェリアの単純労働者や職人に日本政府が特別ビザを発給する旨の記事がありました。スウェーデンなどのヨーロッパのメディアも同じ趣旨の記事を掲載して日本政府の移民政策に懐疑的なメッセージを寄せておりました。

 ナイジェリア政府が根も葉もない発表をするはずもなく、両国間で事実上の協定が水面下で結ばれていたことはほぼ間違いないと思います。

(6)日本にイスラム教の礼拝所、土葬墓地、ハラル給食は不要

 私はイスラム教とイスラム法、並びにイスラム教徒の方々には深い敬意を表する次第です。まず最初にこのことを明言させていただきます。

 一方、コーランも読んだこともなく、その教えを歪曲し、移住先で傍若無人に振る舞う似非モスリムに対しては強い嫌悪感を抱いています。

 他宗教・他文化との共存はイスラムの基本原則の一つです。

 イスラム法(シャリーア)はムスリム(イスラム教徒)に適用される宗教法であって、非ムスリムに適用されるものではありません。すなわちイスラム教徒が他国に滞在しても、その国の法律を尊重して生活することが原則なのです。

 従ってイスラム教徒が他国に赴いた場合、礼拝所の代わりに清潔な場所で敷物を敷いて祈りを捧げることを認め、また他国の人々にハラールを強制してはおりません。イスラム教徒自身も、ハラールが入手できない場合は禁じられているものでも最低限は食べることを許されています。要は相手国の社会習慣や法律に則った行動規範を謳ってるのです。

 似非モスリムが日本で道を塞いで礼拝したり、スウェーデン政府にイスラム法を押し付けるような行為は、本来のイスラムの教えではないのです。

 似非モスリムが世界中で傍若無人に振る舞うことで、日本や欧米などで生活する敬虔なイスラム教徒の方々も大変な迷惑を被っているのです。
 
 先に書かせていただいた通り、イスラム教もイスラム法もイスラム教徒にとっての尊い教えです。それを他国、他宗教の人々も尊重すべきですが、その一方で似非モスリムが他国でイスラムの教えを歪曲して、傍若無人に振る舞うことを認めては断じてなりません。

 地下水汚染や感染症の危険のある土葬も、ハラル給食も日本には不要です。

 土葬を求めるのであれば、土葬を認める国に行けばいい、ハラル給食を求めるのであれば、お弁当を持参すればいいのです。

 そのような中、日本各地で土葬墓地が建設されたり、公共施設内にイスラム教の礼拝所が次々と建設されることの異常さに日本国民は気づく必要があります。

 日本でのイスラム教徒に対する過剰なまでの配慮は、世界で約20億人ものイスラム教徒による巨大な労働市場に対し、日本での受け皿を用意しているとしか思えません。

 要は先に書かせていただいた移民利権が背後にあるのでしょう。

|(7)日本が日本であり続けるために

 私の祖父母が住んでいた渋谷区の大山町には、日本最大のイスラム教のモスクがあります。
 子供の頃、父の車で祖父母の家を訪ねた際に、モスクが見えてくると母が「回教寺院が見えてきた、もうすぐだね。」と言ったのをよく覚えています。

 子供ながらにその荘厳な建物の外観に圧倒された記憶があります。祖父母の家の隣にはロシア人が住んでいましたが、外国人が日本人に迷惑をかけたなどという話は、僅かな例外こそあったとしても耳にしたことはありませんでした。イスラム教の方々についても同様です。

 父は北米駐在の商社マンだったため、日本でも外国人家族との交流が時々あり、子供の私も外国人と異文化には畏敬の念を持って接していました。

 当時から現在に至るまで、日本に在住する外国人の方々のほとんどが、静かに豊かに、日本の文化と社会に溶け込んで暮らしていたのです。
 そしていまだに日本人顔負けの美しい日本語を話し、日本文化をこよなく愛する外国人に接することがしばしばあります。出身国や宗教の違いを乗り越えて、こうした外国人の方々が来日されることは大歓迎です。

 高度成長期から現代に至る日本に滞在する外国人と日本人との関係性と、近年の社会情勢を比べた時、移民政策に関して両者を同一視して考えることはできません。

 異文化共生を目指さないからこそ、外国人との共生ができるという逆説的な過去の歴史からの教訓と、現在の国際情勢を見据えてた時、私は日本は単純労働者に対する労働鎖国を断固として行うべきだと確信する次第です。

 外国人に低賃金で重労働を強いる移民政策こそ外国人差別そのものであり、発展途上国の単純労働力を奪うことへの配慮のない、国家の利己主義を体現しています。

 ここまで長文をご高覧いただいたことに感謝申し上げますと共に、日本政府の移民政策に賛成する方も反対する方も、お時間のある方は、西尾幹二先生の「労働鎖国のすすめ」をぜひご拝読されることをお勧めします。

 浅学の私による拙い解説とは比較にならない重みと広がりを持った同書は、今から30年以上前に執筆されたとは思えない、移民政策への深い洞察に満ち満ちた珠玉の書籍と言えると思います。
 
 私は今後も日本が日本であり続けること、世界でも類稀な日本の文化、歴史、伝統、言語が堅持され、未来永劫続くことを祈るばかりです。

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