なぜ「感謝」が大切と言われるのか

多くの宗教や生き方についての教えの中で、何故感謝が大切と言われるのでしょうか。とりわけ逆境にある人に向かって感謝を強いることについて疑問を感じたことはありませんか。 一方あらゆる状況下で感謝をするということは、現代の量子論や認知科学の立場からも理にかなっているのです。   

感謝についてお話しする前に、未来は決まっているかどうかについて考えてみたいと思います。過去が未来を決定するのであれば、未来は決定しているとも考えられます。すなわち因果の法則通りの未来がやって来るということです。しかし現代物理学はそれをすでに否定しています。 わかりやすい例として、東京タワーのてっぺんからハンカチを落下させた際に、落下地点が予測できないという事実があります。すなわち未来は決定していないのです。私たちは可能性未来の中の一つを選択できるのです。その大きな役割を果たしているが私たちに潜在意識です。 潜在意識は無意識に自分の未来を引き寄せます。  

さて次にこんな場面を想像してみてください。ある朝、出勤でいつも使う電車に乗り遅れました。思わずしまったと思い、会社に遅刻して上司に叱られる場面が頭に浮かびました。しかし電車を降りたところで、小学校の憧れの同級生の女性に15年ぶりで出会いました。会社の遅刻のことなどすっかり忘れ、次に会う約束を取りつけました。会社では上司に叱られましが、思わぬ出会いのことで頭がいっぱいで、痛くも痒くもありませんでした。そして何度かデートを重ねているうちに、ふたりは結婚することになりました。


 果たして電車に遅刻したことは、不運どころか大きな幸せを運んできてくれたのです。結果がすぐには現れなくても、こうしたことは日常生活の中にたくさん潜んでいるのです。
 ここから本題です。電車に乗り遅れた時点で、乗り遅れたことの良し悪しは決まっていません。上司に叱られることはある程度予想できても、憧れの女性に再会する未来が待っていることはわかりません。仮に憧れの女性と再会できなくても、遅刻が別の幸運を運んでくるかもしれません。


 そうなると、電車に乗り遅れた時点で良し悪しを決めてしまう、すなわち良いことと決めて感謝してみたらいかがでしょうか。そうすると潜在意識は電車に乗り遅れたことを良いことと判断して、その延長上にある未来を探し始めるのです。
  楽観的な人、前向きな人が成功するのはこうしたメカニズムが働くからです。逆にしょっちゅう愚痴ばかりこぼしている人は、潜在意識が可能性未来の中から愚痴を言いたくなるような未来を探し始めるのです。


  謙虚で感謝にあふれている人には幸せな人が多いように思います。幸せだから感謝するのではなく、感謝するから幸せになるという良い循環が起きているのです。  「感謝」という言葉に抵抗のある方は、「受け入れる」という言葉を使ってみてください。 

一見不運のように見えても、まだ未来にとっての良し悪しの決まっていない今を受け入れることで、より良い未来を呼び寄せることができるのです。未来でも過去でもない「いま、ここ」を感謝で受け入れることで、過去の意味と未来がより良くなるのです。

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