ポルトガルの医療について

 ポルトガルの医療について私が見聞きした情報をお伝えさせていただきます。私自身はリスボンで内科と耳鼻咽喉科を1回づつ受診、家族の付き添いで市立病院や個人病院を数回訪問しただけなので、あくまでも経験と知識の少ないリスボン在住者の一体験談と捉えていただければと思います。

 ポルトガルという国の医療水準は、ヨーロッパの中でもフランスやドイツなどに比べてそれほど高くないというのが一般的な認識のようです。ただしその元となっている医療水準のランキングデータについてはデータの取り方によって様々で、どれが現実に近いのかはまだ私もわかりません。ただしこうした一般論と、個人の医療への関わり方との間には多少なりとも差があることをこのところ感じている次第です。

 例えば私どもが最初に移住しようと考えていたタイのバンコクですが、国全体の医療水準はそれほど高くないにも関わらず、バンコク市内には飛び抜けて高い水準の医療が受けられる私立病院がいくつかありました。

 建物に入るやいなや5スターホテル顔負けの立派さで、アメリカやイギリスで修行を積んだ医師や日本人の医療コーディネーターが在籍し、特に評判の高い科については海外からも受診しに来る外国人がいると聞きました。

 すなわち自分が関わる医療の水準が高ければ、必ずしも国全体の医療水準だけが基準になるわけではないということです。

 ポルトガルに話を戻しますと、住民は公立病院は無料、私立病院は有料です。住民は保険番号を取得します。
 他国と同様、かかりつけ医制度のようなものがあり、地域の保健センターで相談して大病院を紹介してもらう制度があります。
 私立病院の方が一般的に待ち時間が少ないこともあり、日本人の方の多くは私立病院で医療を受けるケースが多いと聞きます。私どもも民間の医療保険に入り、私立病院や評判の良い個人病院を利用することにしています。

 なお医療水準は受診する科によっては、私立病院より公立病院の方が設備が整っているケースがあり、一概に私立病院の方がいいとは言えません。

 私立の大きな病院では、インターネットで待ち時間を知ることや、医師を指名しての予約が可能なところもあり、私が内科を受診した際は、予約なしの飛び込みで待ち時間は5分ほどでした。耳鼻咽喉科の個人病院では、あらかじめ電話で予約を入れておいたので、やはり待合室で5-10分程度待つくらいで済みました。何しろ経験が少ないので何とも言えないのですが、内科を受診した際に支払った費用は日本よりやや高く、耳鼻咽喉科は安かった印象を受けました。

 新型コロナウイルスの流行期に、例えばZOOMで診察をする精神科医もいると聞きました。その際には医師との相談をメールで行なったり、処方箋を郵便やメールで取得することができる場合があるそうです。

 なお新型コロナウイルスへの対応はヨーロッパの中でも比較的早く、そのせいもあってか感染者数や死亡者数を抑えられたようです。スーパーやショッピングモール内でのマスク着用も徹底していて大きな混乱もなかったようです。

 新型コロナウイルスへの対応については様々な説がネット上を飛び交っていますが、現状ではわからないことが多く、とにかく用心をするに越したことはないと思っています。どうか皆様もくれぐれもご自愛いただきますようご祈念申し上げます。

 写真はリスボン市内の大手の市立病院LUZの待合室と中庭です。LUZはリスボンを中心にポルトガルのいくつかの主要都市にあります。私どもは同じく大手の私立病院CUFやJoaquim Chavesを利用することが多いです。

なお病院の中には、ネットで診察予約をしてたり、スマホで受付を済ませたり、自分の検査結果をネットでダウンドーロできるサービスをしているところもあります。例えば、CUFは 

  MyCUFというサイトとスマホのアプリで上記の機能を利用することが可能です。


 

CUF Tejoの待合室。大きな病院では、番号札とディスプレイで順番待ちをするところが多いです。

以下はポルトガル最大の公立病院であるサンタマリア病院です。


 下の写真はJoaquim Chaves Saúdeのうち、MirafloresにあるClínica de Mirafloresです。こちらは数回お世話になりましたが、スタッフが大変親切で良い印象を受けました。
Joaquim Chaves Saúde Joaquim Chaves Saúde
   Av. Gen. Norton de Matos 71 Rc, 1495-148 Algés, Portugal
   TEL 214 124 300

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP