日本社会の低迷と「意識高い系」 2022.11.17 聖路加国際病院で精神科部長をされていた大平健先生のご著書を、90年代に何冊か拝読させていただきました。現代社会における「豊かさの精神病理」(90年)と「やさしさの精神病理」(95年)は、現代人のあり方を知る上で大いに学ばせていただき、今でも現代人の心の内を知る上で大いに役立っています。 自分の内
待機児童問題の本質 2022.11.17 私は日本における「待機児童問題」という言葉にずっと違和感を感じてきました。待機児童問題を解決すること、すなわち待機児童が保育所に入れるようになることが、子供にとって家族にとって本当に幸せなのでしょうか。父子家庭、母子家庭、あるいは共働き家庭にとって、経済的理由から保育所が必要なことは理解できます
「あきらめない」 2022.11.17 神は人に乗り越えられな苦痛はお与えにならないという言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。私は難病で苦しみと不安に陥った会社の後輩に、この言葉を伝えたことがあります。 「日は昇り日は沈む」 これは旧約聖書第1章1~8節のコヘルトの言葉にある一文です。アーネスト・へミングウエイの「日はま
日本社会における空想的理念 2022.11.17 私が自分の人生において最も関心のあるテーマは何かと聞かれたならば、畏れ多くも生命現象と時間と答えるでしょう。前頭前野が発達した人類が、いかに崇高な抽象的思想を紡ぎだしたか、その一方でなぜこれほどまでに愚かとも言える行為を繰り返すのか。その恐ろしく複雑な人間の意識の源である生命現象がどこから発生し
怠慢ばかりを原因にすべきでない園児置き去り事故対策 2022.11.15 2022年11月12日大阪の岸和田市で、2歳の保育園児が自動車の中に置き去りにされ、熱中症で死亡する痛ましい事故が起きました。父親が保育園に子供を預けたものと思い込んで、自動車の中に置き去りにしてしまったことが原因とのことです。これまでも子供が送迎バスや自動車の中に置き去りにされて死亡する事故が
ギリシャ的善と対話について 2022.11.13 古代ギリシャの哲学者ソクラテスは「誰ひとりとして悪を欲する人はいない」と言いました。この言葉は性善説を説いているのではなく、「すべての犯罪者には、犯罪に手を染めるに至った内的理由がある」という意味です。 すなわちソクラテスの唱えたギリシャ的な「善」とは、道徳的あるいは倫理
「幸福」とは常に手の内にあるもの 2022.11.13 リスボンで生活を始めて、幸福に対する考え方が随分と変化しました。 この地で感じたのは、何事にも求めすぎないほどよさが人の幸福にとって大切なのではないかということです。アメリカ型の消費社会と自由競争が当たり前になった20世紀、より良い生活を志向し、より多くを所有し消費することが当たり前になりまし
師から学んだ「幸福」について 2022.11.13 幸せとは何か、生と死とは何かについては、どんな方でも1度や2度、いや一生のうち何度も思い巡らすことのあるテーマだと思います。私にとって幸せとは何かについて胸に突き刺さるような衝撃を覚えたのは高校2年の時です。私の高校では、2年生の時にドイツ語、フランス語、英会話の選択授業がありまし
2022年11月8日 皆既月食と天王星食 2022.11.08 2022年11月8日は皆既月食と天王星食を観測できる珍しい満月の日です。 文末のリンクによると、日本での皆既月食については、18時9分から月の一部が欠けて見える「部分食」が始まり、皆既月食は19時16分から20時42分までとのことです。部分食が終わるのは21時49分。 天王星食は、東京周辺より西側
人は生きているだけで価値がある 2022.11.04 画家の岡本太郎氏が、戦時中の満州で体験したことを著書の中で書かれています。岡本太郎氏は30代で帝国陸軍兵として中国戦線へ出征、厳しい兵役生活を送りました。その際に上官に殴られて地面に叩きつけられた時、目の前で咲いている一輪の花に感動したそうです。 果てしない荒野で誰に見られることなく、無目的に一