「鎌倉号」オークランド緊急着陸

 このポストカードに着物姿の女性と共に写っているのは往年の名機、日本航空ダグラスDC−8−33(機体番号JA8006)「鎌倉号」です。

 1965年のクリスマス、サンフランシスコを離陸時に第1エンジンから出火、油圧がどんどん低下する緊急事態から加藤機長率いる乗員の沈着冷静な行動で対岸のオークランドに緊急着陸、見事に生還を果たしました。

 油圧が低下する中、この時代のジェット機は操縦輪と舵が直接ワイヤーでつながっていたため、人力で操舵が可能だったのです。

 それでもフラップが十分に出ないためアプローチ時の速度を落とせず、接地時にスピードは通常時を大幅に上回りました。

 中学3年の時に「ジェットパイロット」(鍛治壮一著)という本を何度も繰り返し読みましたが、その中にこの話が取り上げられていました。社会人になって、航空雑誌に寄稿するようになり、鍛冶壮一氏と直接お目にかかる機会がありました。その際に、私の飛行機への情熱を深めてくれた名著へのお礼を申し上げました。

鍛治壮一氏は2022年3月5日に91歳で大往生されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。  

                                       合掌。

 

以下の「ジェットパイロット」は私が読んだ際の版とは異なるため表紙が異なります。もしかしたら、内容も変更になっているかもしれません。

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