「いまここ」を生きるということ

 私はこれまでの人生の中で、「いまここ」という言葉を何度か耳にしてことがあります。最初は森田療法に出会った時です。うつ病などの精神疾患を抱える方の中には「いまここ」を生きていないことが原因で苦しんでいる方が多いと聞きます。そこで森田療法においてはは「いまここ」を生きることを治療のひとつの柱としています。

 次に全脳活性プロデューサーの山岡尚樹先生が説かれる「いまここ」意識です。私自身、山岡尚樹先生のご指導の元、認定講師の資格を取得させていただきましたが、「いまここ」意識は私にとって毎日を生きる上で大変重要なものになりました。

 さらにサグラダファミリアの主任彫刻家がインタビューでお話になっていた「いまがその時、その時がいま」という言葉です。(詳細はサグラダ・ファミリアをご参照ください)

 「いまここ」に生きることが何故重要なのでしょうか。人間は未来にも過去にも生きられません。未来や過去を想起することができますが、実際に身体で行動できるのは今しかありません。時間は10のマイナス44乗の間隔で繋がっている一瞬、刹那瞬の積み重ねです。一瞬一瞬の今の連続が未来と過去に繋がっています。そうなると今というこの瞬間が未来も過去も形作り、包摂していることがわかります。お釈迦様の説く一念三千の境地です。

 さて、人間には懐かしい過去の思い出があります。その時は何でもないと思っていたことが実はかけがいのない幸せな時間だったことに気づくことがあります。あるいはその時はどうにもならないと思ったことが、今になってみると何とかなったことに気づくことがあります。そうです、今を積むことが未来を決定し、過去の意味を決定するのです。

 いまここを生きることの大切さを今一度味わってみましょう

 写真はリスボンの中心部、リベルダーデ大通りにあるチボリ劇場です。クリスマスのデコレーションが施されています。

刹那瞬と一念三千 〜 明日は明日の風が吹く 〜

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