自己啓発の限界と突破 (1/2)

 私が学生だった時代に比べると、町の本屋さんの数がすっかり少なくなったように思います。ネット販売の影響でしょう。

 書籍のネット販売は、例えば古本や希少本を探す場合には大変有効で助かります。一方でどんな本が売られているかを見るにはやはり本屋さんに出向く方がわかりやすいです。

 ところで近年、東京都内の本屋さんで自己啓発書とビジネス書がやたらとたくさん平積みになっているのに気づいた時期があります。

 2000年以降、自己啓発ブームは急加速したように思います。

 書籍だけでなく、数多くのセミナーが開催されました。

 さて、この自己啓発、果たして有効なのでしょうか。

 私は自分自身の経験からも、すべてとは申しませんが自己啓発に対して懐疑的です。

 多くの人が、何か問題を抱えているから、あるいは現状を変えたいから自己啓発をするのだと思います。その解決したい問題の多くがお金、健康、人間関係ではないかと思います。

 人間の脳は、生体が変化を避けるように機能します。それはホメオスタシス(恒常性機能)と言って、人間を変化から守るための大切な機能です。一番身近なところでは、心臓の鼓動、体温の維持など、生命活動を維持するために大切な働きをします。それは肉体のみならず、精神面にも影響するのです。すなわち人は変化することへの恐れを持っているのです。

 宝くじに当選した人が、あっという間に財産を失ったり、ダイエットをして痩せた人がすぐに元の木阿弥になったりするのも、多くはこのメカニズムが働いています。

 このホメオスタシスは意識の力でコントロールすることができません。無意識の領域にアクセスして、このホメオスタシスが維持しているゾーン、別名コンフォートゾーンをずらさなくてはなりません。

 多くの自己啓発は、この無意識のレベルへの働きかけが足りないのです。従って一時的な充足感や自信を持てたとしても、ホメオスタシスによりすぐ引き戻されてしまします。

 セミナー参加中は高揚感に浸っても、帰宅する頃には元の自分に戻っていることが少なくありません。

 さらに重要なことは、その人が本当にやりたいことに気づいていない場合が少なくないということです。

 他者や社会からの評価が基準になった願望は、どこか無理があってなかなか実現が難しいのです。

 本当にやりたいことが見つかり、それに夢中になれば、すなわち子供が遊びに熱中するような状態になれば願望は自然と実現します。

 まず、本当にやりたいことを見つけましょう。

 本当にやりたいことが見つかった後のことは、また項を改めてお伝えさせていただきます。

 以下は自己啓発のメカニズムを非常にわかりやすく解説した書籍です。

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自己啓発の限界と突破(1/2)

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