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日本で世界でどう生きるか (23) ユーモアとリーダーの役割 

 家内と近所のイタリアレストランで昼食をしたときのこと。食通とはほど遠い私が、毎度のことながら何を注文して良いか迷った末、初老のウエイターに少し待って欲しいと頼んだ。時計を見ると午後2時だった。彼は一呼吸置いてから「お店は午後11時までだから決めるまでにはまだ十分に時間がある」と笑顔で私に告げた。家内と顔を見合わせて笑った。

 小一時間ほどで昼食を終え、会計を済ませて立ち上がろうとすると、再び彼が「お店は午後11時までだから立ち上がるにはまだ十分に時間がある。」と言った。

 ポルトガル人は生真面目であまり冗談を言わないのではないかとの先入観があったので、この日は少々意外だった。
 英国を始め、欧米社会ではユーモアのセンスが重視されると聞くが、かつて英国貴族のユーモアについて書かれた書籍でこんな一節を目にしたことがある。

 ある英国貴族が地元で穴の空いたセーターを着て歩いていた。「あなたは貴族なのに何故穴の空いたセーターを着ているのですか。」と地元の住人が貴族に聞いた。貴族は答えた「何故ならここでは誰もが私を貴族と知っているからだ。」

 次にこの貴族がロンドンの街を穴の空いたセーターを着て歩いていた。「あなたは貴族なのに何故穴の空いたセーターを着ているのですか。」貴族は答えた「何故ならここでは誰もが私を貴族と知らないからだ。」

 ユーモアというのは、対象からある一定の距離を置いた上で、日常にはない逆転の発想の元に生じると言われているが、そのためには対象と一定の距離を保つ心のゆとりなくして生まれるものではないだろう。山本七平が「空気の研究」で説いた、対象への臨在感的把握とは真逆の境地と言える。空気の研究では、戦艦大和の出撃の際に、それを阻止できなかった現場の集団の「空気」が論じられるが、英国人はこうした土壇場の際のユーモアが評価されると聞く。

 例えばお聞きになった方も多いと思うが、看守が死刑囚に最後の一服をすすめた際の話である。死刑囚はこう答えてタバコを辞退する。「やめておくよ。最近健康には気をつけるようにしているんだ。」

 英国ではジェームズボンド役のショーン・コネリーよりロジャームーアの方が人気があったそうだが、彼の三枚目的な側面と共に、自分を上空から狙撃しようとしている女性パイロットにウインクしたり手を振ったりするあたりが評価されたのではないだろうか。

 政治家のユーモアには感心するものもあれば、考えさせられるものもある。

 英国のウインストン・チャーチルはこんな発言を残している。
 「期待される政治家とは、明日なにが起きるかを、国民に予告できなくてはならない。

 そして、次の日、何故自分の予言通りにならなかったかを国民に納得させる能力がなくてはならない。」

 ところで最近どこかの国で森羅万象を司ると宣言した宰相が登場したとの話を耳にした。
 
「あなたは何故ご自分のことを神と思うのですか。」

私がその人物だったらこう答える。

「何故なら、私は日本人の姿をしているのに漢字も読めないし歴史も知らないからだ。万象を司る神は言語も時間も超越しているのだ。」 
  
 何はともあれ神が森羅万象を読めるようになったことを国民は喜ぶべきかもしれない。

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