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日本で世界でどう生きるか(6)

 大学の研究室の同窓生と8年ぶりに再会した。大手電機メーカーでハードディスクの研究開発をしていた彼は、先日の西日本の豪雨被害の際に水没したハードディスクのデータを復元する作業を行ったとのことだった。たまたま旧式のハードディスクだったため復元に成功したが、もしこれが最新のハードディスクだったらダイナミックなデータ書き込みを行っているため、物理レベルでの復旧によりデータを復元させることは不可能だったという。
その際に感じたのは、旧式の技術が危機管理上役に立つことがあるという点と、技術革新と人間の進化との相関性の問題である。

 90年代に登場したfMRIという装置は人や動物の脳や脊髄の血流動態反応を視覚的に測定することができる。しかしfMRIは脳内の抽象思考プロセスを視覚化することはできない。言い換えれば、脳内の思考や感情の結果として脳のどの部位が発火しているかの結果は把握できても、思考や感情そのものをコンピュータにおけるデータダンプのように抽出することはできないのである。fMRIは非線形のダイナミックな人間の思考を把握する段階には至っていない。

しかし今世紀になって状況は大きく一変した。人間と機械が融合し、炭素をベースにした人間の知性とシリコンをベースにしたコンピュータの知性が融合した意識の誕生を予測する科学者が登場したからである。この人間の脳の限界を突破する瞬間を技術的特異点と呼ぶが、当初2045年に訪れると予想されていたものが、グーグルのエンジニアリング部門ディレクターのレイ・カーツワイル氏は遅くとも2029年までに訪れると予測している。特異点という言葉は数学者ジョン・フォン・ノイマンによるものであるが、すでに彼は1950年代に科学技術が近い将来脳と融合することの可能性を予見している。

私は先の投稿で、人間が内在する自己よりも、自己の外部に社会の仕組みや価値を構築することに危惧を覚える意味合いのことを書かせていただいた。それはこの文章を書いている今でも同じである。しかし有機物と無機物の狭間にあるシリコンという物質が、有機物の代表である炭素と結びつくことで、脳機能を拡張することにより人類が進化する可能性については極めて大きいのではないかと思う。すでに人類の前頭前野は音速を超えて移動する技術を作り出し、遠くの星を間近に見ることを可能にし、物理レベルでの身体機能の拡張を貪欲なまでに獲得してきたのである。

そして次の時代は、思考そのものの拡張がテクノロジーにより成し遂げられることで、新しい人類が誕生する日も近いのではないか。しかし近年になって人間の進化が自然淘汰ではなく意思により決定づけられることが明らかになったことを考えると、この新しい人類の意思が向かう未来の方向性と、自分と他者、そして宇宙を隔てる境界がどうなるのかが最も興味を惹かれるところである。

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